直行ちょっこう)” の例文
見るところ、花前は、ほとんど口をきく必要ひつようのないまで、自分の思うとおりを直行ちょっこうするほか、なんの考えるところもないらしい。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
鎌倉へ行こうと思い立った日、僕は彼女のために一個のかばんたずさえて直行ちょっこうの汽車に乗った。母は車の動き出す時、隣に腰をかけた僕に、汽車も久しぶりだねと笑いながら云った。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)