目度めど)” の例文
あくる日は翁は一日歩いて、また一二尺掠り除かれた雲の裾から山のふもとを、より確かに覗き取ったが、歩めども歩めども山の麓の幅の尽きらしい目度めどを計ることができなかった。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
翁はそれを目度めどに移して山の影を見上げて行った。翁は息を胸に一ぱい吸い込み思い切り見上げたつもりでそこで眼を止めた。山の峯はまだそこで尽きようともせぬ。翁の息の方が苦しくなった。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)