益益ますます)” の例文
私は心の中で益益ますますひどい寂しさをかんじた。私より表は柔らかい輪郭と優しい目とをもっていることなども、いつも思うことながら私の気を益益鬱ぎ込ませた。
性に眼覚める頃 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
よくない経験によって益益ますますよくない傾きに墜ちさせてゆくことを考えると、私は慄然とした。
或る少女の死まで (新字新仮名) / 室生犀星(著)
しかし彼女は益益ますますはげしく、殆んど毎日のようにやって来た。しまいには記帳場でも厳しい監視をしていたが、やはり彼女に疑いはかかっていても、彼女であるということが判らなかった。
性に眼覚める頃 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
かれにとっては益益ますますおかしな疑いをもたすのである。
幻影の都市 (新字新仮名) / 室生犀星(著)