白痴脅こけおど)” の例文
唯一不二ゆゐいちふじの言葉ばかり使つてないにしろ、白痴脅こけおどしの言葉は並んでゐない。あれはあれなりに出来上つた、他に類のない小説である。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
白痴脅こけおどしを抜いて来たの、わらわれたくらいでは気が済まずに、この上痛い目を見せてもらいたいとか? あははははは」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
如何にも急造らしい小さな堂ですが、豪勢な調度や、金色燦然さんぜんたる護摩壇は、如何にも流行の神らしく、白痴脅こけおどかしのうちにも、人を壓する物々しさがあります。
「よく判りました、奧樣。何の、多寡たくわ白痴脅こけおどかしの化物ごつこくらゐ、口幅くちはゞつたいことを申すやうで恐れ入りますが、この利助の黒い眼で睨めば、一と縮みで御座いませう」