痲痺しびれ)” の例文
が、そうそうは狙いが取れない、打ち外した杖で大地を叩き、痲痺しびれが腕へ伝わったか、ボロリと杖を落としてしまった。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
御承知か知りませんが、鰒に中毒あたると何もかも痲痺しびれてしもうて、一番しまい間際がけ聴覚みみだけが生き残ります。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
源助とお吉との會話が、今度死んだ凾館の伯父の事、其葬式の事、後に殘つた家族共の事に移ると、石の樣に堅くなつてるので、お定が足に痲痺しびれがきれて來て、膝頭ひざがしらうづく。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「四人の中では最初だった! 俺が一番最初だった! あの、痲痺しびれと陶酔とを味わったのは!」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)