田沼たぬま)” の例文
田沼たぬま先生が、雪をけって自動車をのりつけたのは、もう小川先生の講義もすみ、食事当番の塾生じゅくせいたちが広間に食卓しょくたくの準備をはじめていたころであった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「旦那は妙義神社の前に田沼たぬま神官の碑というのが建っているのをご覧でしたろう。あの人は可哀そうにり殺されたんです。明治三十一年の一月二十一日に……。」
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
もっともこれよりさき有名な八代〔徳川〕吉宗よしむね将軍の時からして、すでに蘭学の禁も開放され、田沼たぬま意次おきつぐ〕執政の時代には西洋の事物がかなり日本の識者にも知れ渡っていた。
田沼たぬま理事裏もすぐあとを追って引きあげたが、立ちがけに荒田老のかたを軽くたたきながら、冗談じょうだんまじりに言った。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「土地や建物も、あんがいぞうさなく手に入ったんだ。何もかも田沼たぬまさんのお力でできたことなんだがね。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)