生息せいそく)” の例文
しかし普通一般の女性であるからには装飾気なきこの空気のうちに生息せいそくする結果として、自然この方向に進行するのが順当であろう。現に進行しつつあるかも知れぬ。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
普通の人類の生息せいそくする娑婆しゃばへ出たのだ、文明に必要なる着物をきるのだ。従って人間らしい行動をとらなければならんはずである。今主人が踏んでいるところは敷居である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たゞ人間にんげんとして生息せいそくする以外いぐわいに、なん交渉かうせふ利害りがいもないのだとかんがへるやうになつてきた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)