“献扇”の読み方と例文
読み方割合
けんせん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一同のおそれは、献扇けんせん事件以来とかくの評判のある半蔵が平常ふだんの様子から推して、いよいよお師匠さまもホンモノかということであった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
過ぐる年の献扇けんせん事件の日、大衆は実に圧倒するような勢いで彼の方へ押し寄せて来た。彼はあの東京神田橋かんだばし見附跡みつけあとの外での多勢の混雑を今だに忘れることができない。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
過ぐる年、東京神田橋かんだばし外での献扇けんせん事件は思いがけないところで半蔵の身に響いて来た。千載一遇とも言うべきこの機会に、村のものはまたまた彼が強い衝動にでも駆られることを恐れるからであった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)