狐疑心こぎしん)” の例文
「イヤ、拙者があまり愚痴ッぽかった」と、その上にも相手のこじれたふうをなだめて——「重々拙者の狐疑心こぎしんが悪い。まあ不快をいてくれたまえ。ごうか、一ツ」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは何の狐疑心こぎしんでもなく裏の様子を見るための摺足すりあしでありましたが、そこまで行かぬ櫺子れんじの窓下へ来かかると、二寸ほど開いている小障子の間から、春陽はるびれる煎薬せんやくのにおいが
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)