かきね)” の例文
白い姿はその緑の芳しいかきねのかげに消えますが、そこ迄行ってみると、糸杉は独特な垣をなしていて、丁度屏風をまわした工合に、一つからもう一つへと白い影を誘い
「親類の家は、すぐ目と鼻の間ですから、はしごをかけてかきねを越さしてくださればいいのです。」
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
いま、ちょうどかきねの外を通ってますと、女の方の声が聞えるものですから、あなたなら好いがと思って、あがってみたのですの。お目にかかれてこんなうれしいことはないのです。
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
と、女はかきねの下に指をさして笑ってからおりていった。西隣の男は女が晩にここへ来いといったと思ったので、大悦びで日の暮れるのを待ちかねて牆の下へいった。いってみると果して女が来ていた。
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)