まないた)” の例文
……まないたでコトコト菜葉を庖丁で叩いている。コトコトという細かい音の中に何ともしれぬ憂鬱が籠っている。私は暗黙に咎められているのだった。
忘れがたみ (新字新仮名) / 原民喜(著)
花田はしゃれた背広は着ていたけれど、やっぱり叩き上げた警官の武骨ぶこつさをごまかすことはできなかった。それに、あごの張ったまないたのような赤ら顔をしていた。だから、克彦は少しも気にしなかった。
月と手袋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「行徳のまないた、浦安の爼」馬鹿ですれてる。これは夏目漱石の警句
昔の言葉と悪口 (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)