燧火マッチ)” の例文
「ま、待たっしゃれ今燈明をける。」と膝行いざり歩きて、燧火マッチか、附木か、探す様子。江戸児えどっこれ込み、「こう早く教えてくんねえ。御前様が待っていなさらあ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その晩、また昨夜ゆうべのように、燧火マッチだけは枕頭まくらもとへ置いて火の用心にあかりは消して寝たんですが。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何、この方が勝手です、燧火マッチを一つ置いといて頂けば沢山で。」
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)