燧打石ひうちいし)” の例文
どての蔭へ寄って、武蔵は、そこらの枯れ枝や木片きぎれや、燃えそうな物をあつめた。燧打石ひうちいしって、小さな炎とするまでには、実に克明な丹精と辛抱がるのだった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
庵室の中で、しきりと、さっきから燧打石ひうちいしっていたべつな僧が、舌打ちして
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
借りた燧打石ひうちいしで、すぱっと吸いつけて
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)