無頼者あぶれもの)” の例文
捕手の列の中には、乱闘にまぎれて山手組同様な無頼者あぶれものと睨まれたこんがらとせいたかが、無残や、手縄てなわ十手囲いとなって引ッ立てられて行ったのである。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「大儀であった。山手組の無頼者あぶれもの達に召使の者がすんでのことさらい行かれるところであったが、もう散々に逃げ失せた様子ゆえ、どうぞ後にかまわず引き上げてもれ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あれは沛郡はいぐん匹夫ひっぷに生れ、若くしてくつを売り、むしろを織り、たまたま、乱に乗じては無頼者あぶれものをあつめて無名の旗をかざし、うわべは君子の如く装って内に悪逆をたくら不逞ふていな人物。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)