無手むて)” の例文
「ハハハハハ。無手むてで、このピストルに立向うつもりかい。いくら、日本の少年でも、そいつはいけねえ。乃公おれに降伏しろ」
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
ましてやいまは、竹童も般若丸はんにゃまる宮内くないの手にあずけてあるし、蛾次郎もあけびまき一腰ひとこしを取りあげられているから、この勝負こそ、まったく無手むてと無手。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、両方とも無手むて。そうして双方とも、鎧通よろいどおしのつかに手をかけるいとまがない。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)