炭坑やま)” の例文
だからこの炭坑やま這入はいるのは、それこそホントウの生命いのちがけでなければならなかったのであるが、しかしそうした事実を知っているのは極く少数の幹部以外には
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
埋蔵量六百万トン——会社の事業の大半はこの炭坑やま一本に賭けられて、人も機械も一緒くたに緊張の中に叩ッ込まれ、きびしい仮借のない活動が夜ひるなしに続けられていた。
坑鬼 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
十月になって、炭坑やまにストライキがあった。街中は、ジンと鼻をつまんだように静かになると、炭坑から来る坑夫達だけが殺気だって活気があった。ストライキ、さりとは辛いね。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
炭坑やま中の大評判になっている事実を毎日のように聞かされて、寄るとさわると冷やかし相手にされなければならなかったのには、少からず弱らされたものであった。
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……爆弾ハッパの出先は何といっても九州の炭坑やまが第一です。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)