灰殻はいがら)” の例文
旧字:灰殼
あの肥大な虫の汁気しるけという汁気はことごとく吸い尽くされなめ尽くされて、ただ一つまみの灰殻はいがらのようなものしか残っていなかった。ただあの堅い褐色かっしょくの口ばしだけはそのままの形をとどめていた。
簔虫と蜘蛛 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)