灌園かんえん)” の例文
柳湾は幕府の郡代田口五郎左衛門の手代てだいとなり飛騨ひだ出羽でわその他の地に祗役しえきし文化九年頃より目白台めじろだいに隠棲し詩賦灌園かんえんに余生を送った。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
岩崎灌園かんえんがその著『本草図譜ほんぞうずふ』で右先輩の説を覆えし、この杜若なる植物はアオノクマタケラン(ショウガ科に属し支那と日本とに産し暖地に見る)
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
明治二十年頃まで丁髷ちょんまげを戴いて、民百姓は勿論、朝野の名士を眼下に見下していた漢学者の父、杉山三郎平灌園かんえんを説き伏せて隠居させ、一切の世事に関与する事を断念させて自身に家督を相続し
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)