ゆす)” の例文
「冷吉。——冷吉。もう出て口をおゆすぎなさい。何時だと思ふの?——どうかしたのかいお前。なぜ返事もしないで默つてゐるの?」
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
あたふた飛んで来て柄杓ひしゃくを取れば、両手を出してゆすぎながら、跪坐ついいる秀をじっと御覧じ、「秀。」屹としたる御召に、少し顔の色を変えて「はい……い。」綾子は声に力をめて
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)