濁麦酒クワス)” の例文
まつたく考へて見るに婦女子をなごどもといふやつは何から何まで実に器用なものぢや! いつか皆さんはいばらの実を入れた梨の濁麦酒クワスだの
濁麦酒クワス ライ麦の麦芽を用ゐて醸造した一種の家庭飲料で、ビールに似た軽い酒精分を含み、露西亜人の一般に愛飲するもの。
うちの婆さんが、それには先づ前もつて林檎をよく洗ひ浄めて、次ぎに濁麦酒クワスに浸けて、それから今度は云々といつた塩梅に、語り進めようとした時ぢや。
梨入りの濁麦酒クワスはどうして造るべきか、甜瓜がどの位に大きいか、庭を駈けまはる鵞鳥がどんなにふとつてゐるかが、直ちに読み取られるやうな顔つきをして見せた。
彼女はほとんど同時に、小言もいへば絲も染める、台所へも飛んでゆく、濁麦酒クワスを拵らへる、蜂蜜のジャムを煮るで、まる一日ぢゆうかけ𢌞つて、何処ひとところとして顔出しをせぬ処がない。
祖父は長上衣スヰートカを著て、帯をぎゆつと緊め、鋤とシャベルを小脇に、帽子を頭にかぶつてから、濁麦酒クワスを一杯ひつかけると、その口を着物の裾で押し拭つて、真直ぐに祭司の野菜畑をさして出かけた。