渡者わたりもの)” の例文
名は文吉と云って、四十二歳になる。体は丈夫で、渡者わたりものの仲間には珍らしい、実直なものだと云うことが、一目見て分かった。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
渡者わたりものを振廻して処々の米屋に稼がしておく、お絹はその賃銭を集めに廻った。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)