消閑しょうかん)” の例文
それは折本になっている布装の書画帖で、中に記されたところのものは、多分、この宿に逗留とうりゅうの客人の、消閑しょうかんの筆のすさびでありましょう。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
なごやかにも楽しい曲である。古典の邪念のない美しさを愛する人には最もよき消閑しょうかんのレコードだろう。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
祐筆ゆうひつもこう記している。勢子や弓の衆はためにへとへとになるのだった。趣味といい余技といえば消閑しょうかんのなぐさみに聞えるが、茶の湯にせよ何をやるにせよ、彼のはそんななまぬるい沙汰ではなかった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
誰か湯治客がこの辺で竹を取って、湯治中の消閑しょうかんに、手細工を試みたものでしょう。それを北原に取らせようと慫慂しょうようするのを、北原は首を左右に振って
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
誰か消閑しょうかんのいたずらでしょう。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)