海路うなじ)” の例文
「時政殿には、首尾よう舟を手に入れられて、海路うなじ安房あわへと、お渡りになりました」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おれは中でも、あの大伯おおくの幼い顔を見るたびに、心が痛んでならぬ。あの子は、もちろんお主も知つてのとほり、宝ノ太后おばばが西へ征かれた途中の海路うなじで、大田が急に産気づいて生みおとした娘だ。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
(今に、毛利の水軍が、海路うなじ舳艫じくろ相銜あいふくんで東上してくる。また陸からは、吉川きっかわ、小早川の精鋭が播州を席巻せっけんし、秀吉をやぶり、諸豪を麾下きかに加えて、怒濤のごとく中央へ攻めてくる!)
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)