流沙河りゅうさが)” の例文
なにしろ流沙河りゅうさがで最も深い谷底で、上からの光もほとんどして来ない有様ゆえ、悟浄も眼の慣れるまでは見定めにくかったが、やがて
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
流沙河りゅうさがの水を出てから、いったいどれほど進歩したか? 依然たる呉下ごか旧阿蒙きゅうあもうではないのか。この旅行における俺の役割にしたって、そうだ。
彼らは流沙河りゅうさがの河底にそれぞれ考える店を張り、ために、この河底には一脈の哲学的憂鬱が漂うていたほどである。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
そのころ流沙河りゅうさがの河底にんでおった妖怪ばけものの総数およそ一万三千、なかで、かればかり心弱きはなかった。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)