泣咽なきむせ)” の例文
嘉兵衛は茫然と、宙をみつめたまま肩で息をついている——娘のお稲だけは、投出された濡雑巾のように、畳の上へうち伏して泣咽なきむせんでいた。
暗がりの乙松 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)