油紙ゆし)” の例文
早い話がすべての人が彼に取っては種々な品物の臭気においに過ぎなかった、親分の藤吉は柚子味噌ゆずみそ、兄分の勘弁勘次は佐倉炭、角の海老床の親方が日向ひなた油紙ゆし
さきの使僧から託された——頼源僧都そうずから帝のお手許へ——なる油紙ゆし包みのヨリを無造作に解いてみたのだ。そんな行為を自身いやしむようなひるみなどはどこにもない。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
首を送りこむ役は、門之丞にくだって、手紙をくわえた女の生首は、油紙ゆしにくるんで柳生の定紋うった面箱めんばこにおさめられ、ただちに夜道をかけて妻恋坂へとどけられた。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)