沂水ぎすい)” の例文
「この下邳かひの陥ちないのは、泗水しすい沂水ぎすいの地の利あるゆえですが、その二水の流れを、味方に利用せば、敵はたちまち破れ去ること疑いもありません」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奚山けいざん高密こうみつの人であった。旅に出てあきないをするのが家業で、時どき蒙陰もういん県と沂水ぎすい県の間を旅行した。ある日その途中で雨にさまたげられて、定宿じょうやどへゆきつかないうちに、夜がけてしまった。
阿繊 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
その祖先の帰郷した地が、瑯琊ろうやであったかどうか明瞭でないが——孔明の父、諸葛珪しょかつけいのいた頃は、正しく今の山東省——瑯琊郡の諸城県から陽都ようと沂水ぎすいの南)に移って一家をかためていた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)