汚穢おえ)” の例文
私どもは驚きます。「私どもが神の子? この無力無能、汚穢おえ下賤げせんの私どもが神の子? そんなことはありようはずがない」
かつテ山東洋ニ問フテ曰ク、我、君ニつかフルコト三年、技進マズ、其ノ故如何。洋子のたまはク、吾子ごしすべからク多ク古書ヲ読ミ、古人ト言語シテ以テ胸間ノ汚穢おえヲ蕩除スベシ。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
か、汚穢おえにまみれ、いっこうにぱっとしない人生、き砕かれた心が、いま、この天井の低い部屋の中で眼をさます。一晩中、そして朝も、休みなく汽車が走っている。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)