汚物よごれもの)” の例文
さてくだんの花簪屋と煎餅屋との間の露地口の木戸は、おしめ、古下駄等、汚物よごれもの洗うべからずの総井戸と一般、差配様おおやさん取極とりきめで、紙屑拾不可入かみくずひろいいるべからず、午後十時堅く〆切しめきり
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
家の前に一本の柳の木があって、子供の汚物よごれものを洗ったのが、その柳の木から壁板に繋がれた縄に掛けてあった。家は藁屋わらやで、店には割りかけた赤味の板がちらばっていた。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)