水無月みなつき)” の例文
投楽散人とうらくさんじんとかいえる人、花都かとの産なり、さるとし水無月みなつきの炎暑にたえかね、昼寝の夢さめて、席上に残せる木枕をみるに、胡蝶一つ羽を休む。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
又山里の梅さへ過ぐるに万歳殿の来ぬ事よと京なつかしきながめや侍らん。翁此返辞に其事とはなくて、去年の水無月みなつき五条あたりを通り候に、あやしの軒に看板を懸けて、はくらんの妙薬ありと記す。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
沼のへりの石楠木咲かむ水無月みなつきにまた見に來むぞ此處の沼見に
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)