毫髪ごうはつ)” の例文
もし世の中に全知全能ぜんちぜんのうの神があるならば、私はその神の前にひざまずいて、私に毫髪ごうはつうたがいさしはさむ余地もないほど明らかな直覚を与えて、私をこの苦悶くもんから解脱げだつせしめん事を祈る。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
万人に降臨して、平等に臨みたもう日天さえかくのごとし、いわんや魔魅障礙しょうげの物をや、毫髪ごうはつなりとも便を得て、その物に化して真気を奪わんと窺う時、眼を見るべからずとぞ