毛布けっとう)” の例文
母親が徹夜てつやして縫ってくれた木綿もめん三紋みつもんの羽織に新調のメリンスの兵児帯へこおび、車夫は色のあせた毛布けっとうはかまの上にかけて、梶棒かじぼうを上げた。なんとなく胸がおどった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
福松ふくまつという店を預かっている若者が指図をして、店の飾り附をして居ると、門口へ来ました男はきたないとも穢なく無いとも、ぼろ/\とした汚れ切った毛布けっとうを巻き附けて、紋羽もんぱの綿頭巾を被って
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)