歯磨屋はみがきや)” の例文
年内の御重宝ごちょうほう九星売が、恵方えほうの方へ突伏つっぷして、けたけたとたまらなそうに噴飯ふきだしたれば、苦虫と呼ばれた歯磨屋はみがきやが、うンふンと鼻で笑う。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
歯磨屋はみがきや卓子テエブルの上に、お試用ためし掬出すくいだした粉が白く散って、売るものの鰌髯どじょうひげにもうっすり霜を置く——初夜過ぎになると、その一時ひととき々々、大道店の灯筋あかりすじを、霧で押伏おっぷせらるる間が次第に間近になって
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
歯磨屋はみがきやの木蛇の運動よりすごいのであった。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)