正中まんなか)” の例文
「今お側にゐた小僧は額の正中まんなかに大い目が一つしかありませんでした。ああ、気味が悪い。まだそこらにゐはしませんか。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
晴天風なき時日いづれば十三の小嶋おの/\離散りさんして池中に遊ぶが如し、日入れば池の正中まんなかにあつまりて一ツの嶋となる。此池に種々の奇異きゐあれどもぶんおほければしるさず。
すなわち、霊鏡が頭となり、湯飲みが胴となり、灯明台の正中まんなかの光線が手先となって、南方より入る光線がこれに反射して、朦朧もうろうたる人体ようの影が写真中に現れたのであることが分かったそうだ。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
晴天風なき時日いづれば十三の小嶋おの/\離散りさんして池中に遊ぶが如し、日入れば池の正中まんなかにあつまりて一ツの嶋となる。此池に種々の奇異きゐあれどもぶんおほければしるさず。