欽仰きんぎょう)” の例文
伊勢守に対する欽仰きんぎょうの念が、彼の小我や妄念もうねんのすべてを解決したのである。——いさぎよく、彼は伊勢守に入門をうた。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
畢竟ひっきょうするに日本山岳の欽仰きんぎょうすべき大徳の女王、富士山で、高さにおいては言うまでもないこと、その秀麗の山貌と、優美の色彩と、典雅の儀容とにおいて、群山から超絶している
日本山岳景の特色 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
しかれども松下村塾に到りては、独り当時における偉大の結果のみならず、流風遺韵いいん、今におよんでなお人をして欽仰きんぎょう嘆美の情、禁ずるあたわざらしむるものあり。これ何に由りて然るか。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)