欣喜雀躍きんきじゃくやく)” の例文
承託を受けると男は忽然こつぜん欣喜雀躍きんきじゃくやくとして、弱い灯を受けつつ車体をよこたえて客待ちして居る陰気な一台の円タクを指先で呼び寄せました。
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
ついにイエスの耳に入りましたから、立ち止まって「彼を呼べ」と言われた。盲人は欣喜雀躍きんきじゃくやく、上衣を脱ぎすて、躍り上がってイエスの許に来た。
欣喜雀躍きんきじゃくやくせよ。勇敢に飛び上り、逆立ち、宙返りせよ。フォックストロット、ジダンダ、ステップせよ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「支那本土へ日本軍がはいって行くのは考えもんだな。矢萩大蔵は欣喜雀躍きんきじゃくやくかもしれんが、わしは不賛成、反対だ。あの大陸へ手を出したら、泥沼にずるずるとひきこまれるようなもんじゃ」
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
夫人のゆるしに、関羽もよろこび、周倉はなおのこと、欣喜雀躍きんきじゃくやくして
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なんであの人が、イスラエルの王なものか。馬鹿な弟子どもは、あの人を神の御子だと信じていて、そうして神の国の福音とかいうものを、あの人から伝え聞いては、浅間しくも、欣喜雀躍きんきじゃくやくしている。
駈込み訴え (新字新仮名) / 太宰治(著)