欠陥あき)” の例文
旧字:缺陷
遠く離れてはさすがになつかしかりし家も、帰りて見れば思いのほかにおもしろき事もなくて、武男はついにその心の欠陥あきを満たすべきものを得ざりしなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
学校に行かなくなってからなおなお世間にとおざかって、捨児と聞いてから万作夫婦の愛は昔にかわらぬが何となく心に欠陥あきがあるらしく、何か始終思い沈んで居る。それをいささか慰むるは歌と筑波山だ。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)