欝金色うこんいろ)” の例文
この林から一里ほど離れた地点ところに、だだっ広い前庭を持った一構えの農家が立ってい、家鶏にわとりひなが十羽ばかり、親鶏の足の周囲を、欝金色うこんいろの綿の珠が転がるかのように
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いつにない髪を唐人髷とうじんまげに結うて、銘仙の着物に、浅黄色の繻子しゅすの帯の野暮やぼなのもこの人なればこそよく似合う。小柄な体躯からだをたおやかに、ちょっと欝金色うこんいろ薔薇釵ばらかざしを気にしながら振り向いて見る。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)