“樸訥”の読み方と例文
読み方割合
ぼくとつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
飾り気一点なきも樸訥ぼくとつのさま気に入りてさま/″\話しなどするうち京都々々と呼ぶ車掌の声にあわたゞしく下りたるが群集の中にかくれたり。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
貧苦のために痴鈍になったとはいうものの、元来樸訥ぼくとつで優しい気象を彼はもっているのである。
乞食 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
三十年間の金の累積るいせきを彼はこの柳行李に納め続けたのである。ミチは藤三の薄く禿げかかった後頭部を見た。ランニングシャツにパンツ姿の樸訥ぼくとつな後姿に、ミチはたまらない憐憫れんびんを感じた。
刺青 (新字新仮名) / 富田常雄(著)