楓葉ふうよう)” の例文
電車のきく北野の終点まで行って、そこから俥で洛西らくせいの郊外の方に出ると、そこらの別荘づくりの庭に立っている楓葉ふうようが美しい秋の日を浴びて真紅まっかに燃えているのなどが目についた。
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
青い楓葉ふうようにつつまれたる白布の滝が静かに落ち、その周囲は雲煙を以てぼかされた。その座敷へ夏の太陽がさし込み、反射が暗い床の間を照して、その滝はすがすがしくも落ちていた。
楓葉ふうよう 荻花てきか あき索々さくさく——
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
楓葉ふうよう 荻花てきか あき索々さくさくたり
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)