棠陰比事とういんひじ)” の例文
棠陰比事とういんひじや雨月物語なぞの存在も知らないままに又もイライラを続けておりますと、そのうちにフトした動機から宗教にりはじめました。
涙香・ポー・それから (新字新仮名) / 夢野久作(著)
棠陰比事とういんひじ桜陰比事おういんひじといった、比事物の古書は案外役に立つ、私は盛んに利用するが、種の出所を必ず明記しているので、かつて文句は来たことはない。
銭形平次打明け話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
印刷出版されたこの種の本で最も古いのは中国の宋の時代の「棠陰比事とういんひじ」を和訳して平仮名で書いた「棠陰比事物語」(慶安二年、一六四九年)である。
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
公事くじは漢の棠陰比事とういんひじにも見えず、倭の板倉殿のさばきにも聞えず。ここに我ひとつの発明あり。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
宋の時代、十三世紀のはじめに書かれた「棠陰比事とういんひじ」に「従事凾首じゅうじかんしゅ」という、面白い話がある。
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)