梵天台ぼんてんだい)” の例文
その火明かりで、梵天台ぼんてんだいにみちている兵も見えた。まぢかの川を乗りわたしてくる軍馬も見えはじめた。裾野すそのは夕焼けのように赤くなった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まもなく、梵天台ぼんてんだいたいらへくる。よるとばりはふかくおりて徳川方とくがわがたの陣地はすでに見えなくなったが、すぐ前面の人穴城ひとあなじょうには、魔獣まじゅうの目のような、狭間はざまが、チラチラ見わたされた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)