梓弓あずさゆみ)” の例文
「いま申したように近江屋の甥ですから御神事に外れるということはありません。今年は、六所さまの御物の金銅弭黄黒斑漆きんどうやはずきくろまだらうるし梓弓あずさゆみを持ってお伴しているはずでございます」
顎十郎捕物帳:23 猫眼の男 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しかし幸か不幸かいまだ全く文明化せられざる今日においてはかかる裏長屋の路地内ろじうちには時として巫女いちこ梓弓あずさゆみの歌も聞かれる。清元きよもとも聞かれる。盂蘭盆うらぼん燈籠とうろう果敢はかない迎火むかいびけむりも見られる。
もののふの取りつたえたる梓弓あずさゆみ