梁田やなだ)” の例文
結んだまま容易にかぬ彼のくちが、何か、いおうとした時である。梁田やなだ弥二右衛門が、側から呶鳴った。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母や祖母がお国の話をする時に、梁田やなだ水津すいつ、大野などの姓を聞くと、西氏の御親戚ごしんせきだと思う位でした。後に私は祖母に連れられて、西氏の三十間堀さんじっけんぼりのお家へ泊りに行きました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
丁度、その時、梁田やなだ政綱が放った斥候が、沓掛方面から帰って、「義元は今から大高に移ろうとして桶狭間に向った」旨を報じた。間もなく更に一人が義元の田楽でんがく狭間に屯した事を告げ来った。
桶狭間合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
梁田やなだ弥二右衛門政綱まさつなに、沓掛城くつかけじょう三千貫の采地さいちを与う——という賞賜しょうしを筆頭に、服部小平太、毛利新助など、約百二十余名への賞賜を、信長は、口頭でいって、それを佐渡と修理に記録させた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)