枇杷島橋びわじまばし)” の例文
果して、その翌日、枇杷島橋びわじまばしを渡って西の方へ向いて、何か瓦版かわらばんようの紙をひろげて、見入りながら歩いて行くがんりきの百蔵を見る。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
安直に大日本剣聖と向うを張らせておどかしたが、かえって枇杷島橋びわじまばしでの藪蛇やぶへび、あっぱれ道庵に武勇の名を成さしめてしまった。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
枇杷島橋びわじまばし以来の面ぶれ、ファッショイ連、安直、金茶、なめ六、三ぴん、よた者——草津のうばもちまでのしていたはずなのが引返して、ここは胆吹山麓
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
枇杷島橋びわじまばしの勝負は、かんじんのところで肥後の熊本五十七万石、細川侯の行列らしい道中で、うやむやにされてしまったが、まあ、あれだけに、こっちの威力を示して置けば多少おそれをなし
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あの名古屋の枇杷島橋びわじまばしで道庵を挟撃したそのファッショイ連とは違って、これは、三ぴんでもなければ折助でもなく、正銘のこの地方の若い衆が大勢、景気よく一つの長持をかついで、飛ぶが如くに
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
枇杷島橋びわじまばしの上で、ファッショイ連を相手に、さしも武勇をふるった道庵先生が、ここは尾州清洲の古城址のあたりに来ると、打って変って全く別人のように、そこらあたりをさまようて、いにしえを懐い
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
城下を離るること約一里にして、枇杷島橋びわじまばしにさしかかる。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)