東光院とうくわうゐん)” の例文
音に聞いてゐた東光院とうくわうゐん境内けいだいは、遠路とほみちを歩いて疲れた上に、また長い石段を登つてまで見にくほどの場所でもなかつた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
東光院とうくわうゐんの堂塔は、汽動車きどうしやの窓から、山の半腹はんぷくに見えてゐた。青い木立こだちの中に黒く光るいらかと、白く輝く壁とが、西日にしびを受けて、今にも燃え出すかと思はれるほど、あざやかな色をしてゐた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
『こんなとこへ、もう一生來ることあれへん。折角せつかく來たんやよつて、まア東光院とうくわうゐんへでも寄つて行きまへう。』と、おみつは、銀貨を取り出して、東光院へ行く停車場ステーシヨンまでの切符を女房に買はせた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)