条目すじめ)” の例文
旧字:條目
たぶん一インチぐらいしかないパーチやシャイナーの群——前者は横にはいった条目すじめでたやすく見わけがつく——を見ることがある。
その下で、紫や紅の縮緬の袱紗ふくさを帯から三角形に垂らした娘たちが、敷居や畳の条目すじめを見詰めながら、濃茶こいちゃの泡の耀かがやいている大きな鉢を私の前に運んで来てくれた。
洋灯 (新字新仮名) / 横光利一(著)
水圧のために徒渉者の足に堅くこたえてさわるようになった砂の底に印された波の条目すじめと、これらの条目に沿うて、あだかも波によって植えられたように
薪のくすぶっている炉の傍に、薬湯がかかっていて、蝿が荒筵の条目すじめを斜めに匐っているばかりだ。梨の炉縁の焼け焦げた窪みに、湯呑が一つ傾いたまま置いてある。
氷のかたまりのはじに見える条目すじめによってさらに厚さ一インチの氷が新たにできたのがはっきりわかったが。