杏仁水きょうにんすい)” の例文
熱ある咳が出るとしても、アンチピリンや杏仁水きょうにんすいよりは、解熱鎮咳の効あるです。リウマチも、釣を勉めて、とう/\根治したです。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
私は和蘭陀オランダ語かと思った。おこしのるいで、細く小切こぎりにした、かりかりと歯にあたって、気品のある杏仁水きょうにんすいの風味がある。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
杏仁水きょうにんすいでも飲めば四時前にはきっとなおるにきまっているんだが、運の悪い時には何事も思うように行かんもので、たまさか妻君の喜ぶ笑顔を見て楽もうと云う予算も
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうしてそれが杏仁水きょうにんすいであることを思い出すと同時に妙な記憶が喚び起されて来たのである。
そこがうれしいじゃないか。いったい感冒の薬は杏仁水きょうにんすいが何グラムで何が何グラム、一日三回分服といった風に、すっきりとめてもかかれまいじゃないか。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)