木裂きぎれ)” の例文
藤三郎は七輪に木裂きぎれをもやしながら、時々重吉に酒をすすめた。重吉は腹が空いてゐたのですぐ醉つた。
なぐさめ (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)
南国の、あの黄ろい海へ向つて、この船は航路を持つてはゐないのだ。波止場は、乗船客や、荷運びの人夫でひしめき立ち、桟橋は、藁屑わらくづ木裂きぎれや、林檎の皮が、散乱してゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)