望蜀ぼうしょく)” の例文
わしに望蜀ぼうしょくの意はあるとしても、あんな山地の一方に屈して、曹操そうそう孫堅そんけんごとき者と争い、互角ごかくに一生を終るなど、手本とはいたしたくない。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——あんまりかせごうと思ってあせっただ、成績をあげようと思ってよ、可哀かわいそうに、ああいうのを昔のことわざでぼうせき(望蜀ぼうしょく?)の欲っていうだ」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そんな調子で、話がそれからそれとはずんで行くうちに、白雲が、ついに望蜀ぼうしょくの念を起してしまって
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それ以上の望蜀ぼうしょくの希求はあきらめて、この貧しい手記を書き続けて行くという事にしよう。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
広く知る次には、深く見たいものだと白雲が、望蜀ぼうしょくを感じたのはぜひもありません。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
望蜀ぼうしょく
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)